労働関係

従業員の給料を下げたいとき

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ある従業員に非行行為、著しい業績不良、勤務懈怠等があった場合に従業員の給料を減らしたいと考える使用者は多いのではないだろうか。その際には注意して頂きたいことを書きたい。

まず、懲戒処分として給料を減給する場合が考えられるが、懲戒処分を下すにはⅰ懲戒処分の種類・事由等について就業規則等に定められているか、ⅱ減給処分が相当か否か、ⅲ懲戒処分を下すにおいて適切な手続きをふんだか等の複雑な論点が絡んでしまう。また、懲戒処分において減給する場合、一度の懲戒処分において日給の半額程度が月給において減給する場合の限度額であり、そのような減額では意味がないと思う使用者がほとんどではないであろうか。
従って、減給を考える場合、懲戒処分はあまりお勧めしない。

私がお勧めしたい給料減額の方法は、合意書を締結することによる給料減額である。
その理由は、合意による場合は上記の限度額制限が存在せず、使用者が相当な範囲で減額をすることが可能であるし、就業規則の制定等の煩雑な手続きもいらないからである。
但し、これは合意による解雇にもいえることであるが、給料減額や、解雇の場合、たとえ合意書があったとしても、裁判所はその合意が本当に労働者の真摯な同意のもとになされたものかどうかを厳格に判断するというものである労働者と使用者の場合、対等なもの同士の契約とは異なり、上下の関係があるためである。そして、かかる真摯な同意があったかどうかについては、ⅰ当該処分により労働者にもたらされる不利益の内容及び程度、ⅱ当該処分がなされるにいたった経緯、ⅲ当該処分の際に労働者に対してなされた説明の内容等に照らして、労働者の自由な意思に基づいてされたものと認めるに足りる合理的な理由が客観的に存在するか否かという観点から判断される。
従って、なぜ給料減額がなされたかの理由を詳細に説明し、それについて真摯に同意しているやり取りを合意書の内容の他にそれ自体を録音しておくという方法をとるべきである。

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