労働関係

有期雇用なのか試用期間なのか

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雇用契約に期間の定めがある場合において、それが有期雇用契約なのか、試用期間にすぎないのかについて必ずしも明らかではない場合がある。会社としては、試用期間後の雇止めが危険であることのブログでも書きましたが、試用期間となってしまうと雇止めの際にリスクが発生してしまう。

<最高裁判所判断>
期間を設けた趣旨・目的が労働者の適性を評価・判断するものであるときは、その期間の満了により契約が当然に終了する旨の明確な合意が成立しているなどの「特段の事情」が認められる場合を除き、期間は雇用契約の存続期間ではなく、試用期間であるとした。

➀大阪の裁判例であるが、会社に観光バス運転手として採用されたところ、研修中に実施された検定に不合格となり期間の満了に伴い退職扱いとなったところ、雇用契約は存続しているとして訴えた事案である。裁判所は〈1〉本件労働契約における労務の内容は、バス運転の研修の受講及び検定の受験であり、同契約の目的は、新規採用者のバス運転者としての適性・能力を判定することにあること、〈2〉被告は、新規採用者が研修期間中に実施される検定に合格した場合には、同人を契約社員として採用すること、〈3〉研修期間中の賃金と契約社員の賃金の内容は全く異なることが認められること等から本件の雇用契約は有期の雇用契約であると認められ、雇用契約は存続していないと判断した事案である。

②次に私立高校の教員として採用されたものについて、当該高校においては大学新卒者を専任教諭として採用するときは初年度は非常勤講師として採用し翌年度は専任教諭とする採用方式が従来とられてきた事情があるときは、当該雇用契約は一年目は試用期間のような意味合いで、その適性をみる期間であり、その後は期間の定めのない雇用契約となるとして雇止めは無効であるとした。本件では、契約を一年の有期であるとする特段の事情までは認められないと判断したといえる。

要約

以上より、会社が雇用契約により従業員を採用する場合、短期で期間を区切って雇用したいのか、或いは適性を見た上で採用したいのかを明らかにしその点について採用面接、雇用契約書等で明示しておく必要がある。

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