子ども・高齢者・障害者

障害者の施設側の管理責任(入浴編)

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てんかんをもつ入所者が入浴する場合はてんかん発作の可能性があるため一般の方よりも事故が起きやすいという前提で、施設側には重い注意義務が課されていることを明らかにした裁判例です。てんかん発作は人によってはリラックスしているときに起きやすいようです。

事案の概要

職員が午後3時35分ころに、同職員が同日午後3時42分ころに、それぞれ浴室に赴き、いずれの際にもてんかんをもっているAが入浴中であることを確認したが、同職員は、脱衣所に待機するなどして入浴中の亡一郎を常時見守ることはしておらず、また、同職員は、その担当職務を引き継ぐべき他の職員に対し、Aが入浴中であることを告げることなく退勤した。
その後の同日午後3時50分ころ、施設の別の男性職員が浴室内を確認したところ、亡一郎が浴槽内に沈んでいたため、同職員は直ちにAを浴槽から引き上げた上、心肺停止状態であったAに人工呼吸と心臓マッサージを施したが、は、同日午後5時5分、死亡が確認されたとう事案。
職員は、Aがてんかん発作を起こすことがあることを認識していたことから、基本的には、をてんかん発作を起こすことのある別の男性入所者と一緒に入浴させることとしていた。また、Aは、過去に、G寮の浴室で入浴中にてんかん発作を起こしたが、職員がこれに対応したため、命に別状はなかったという事情がある。これらの事情等から職員が引継ぎミスさえ起こさなければおこらなかった事故であり施設側に責任を認めた。

事故後の対策

本件死亡事故が発生した当時は、職員の間で入浴中に利用者がてんかん発作を起こした場合に死亡事故につながる危険性があることは認識されていたものの、マニュアルは作成されておらず、利用者が入浴する際は、5分ないし10分に1回の頻度で見守りをする運用とされていたが、その後、本件施設においては、本件死亡事故後の当時には、施設利用者の「入浴支援マニュアルリスクレベル表」が作成されており、この中で、障害状況としててんかん発作を有する者が入浴する場合は、リスクレベルが高いものとされ、遵守事項として、常に職員が浴室内にいることとされている。

他にも考えられる対策としては、風呂場に危険なものはなるべくおかず、倒れても大丈夫なようにマットを敷くことも有効でしょう。
また、てんかん発作がよく起こっている時期には入浴は禁止し、シャワーのみとすることも考えられるでしょう。

 

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